皆様こんにちは
つい最近、富山大学が
『嗅覚』が全身の脂質利用を促進するという
興味深い研究を発表しました
この研究が進むことで
匂いを利用して、糖尿病の予防が進むことは
大変喜ばしいことです
そこで今回は
『嗅覚』についてお話します
皆さんは、『嗅覚』がいつごろから低下するか
ご存知ですか?
『嗅覚』は、10代でピークに達し
男性では60代~
女性では70代~急激に低下する傾向にあります
おもしろいのは
女性はどの年代でも、男性の『嗅覚』を上回り
匂いを嗅ぎ分ける力が高いことです
これは男性に比べ、物を嗅ぐ機会が多いことが
関係しています
(化粧品、ハンドクリーム、香水など)
人には同じ匂いを嗅ぎ続けると、順応する力が
あります
例えば
たばこ、香水の匂いが強い人に対し
「この人匂いがキツイなぁ…」
と思っても、一緒にいることで
いつの間にか、気にならなくなりますよね!
香りのプロである
調香師の嗅神経、嗅細胞を調べたところ
一般の方と大差はないらしいです
しかし
匂いを嗅ぐ機会が多いため
嗅ぐ力が私たちより高いのです
私たちは、普段の生活で
匂いを意識することが少ないので
『嗅覚』の低下は自覚しにくい傾向にあります
では、『嗅覚』の低下の原因は何か?
①慢性副鼻腔炎
②かぜ
③アレルギー性鼻炎
④外傷
⑤認知症などがあげられます
リスクの回避としては
①鼻の病気の治療
②かぜの予防
③生活習慣の改善
④喫煙
⑤運動があげられます
認知症にも色々種類がありますが
ここでは関心の高い
アルツハイマー型認知症について
とり上げたいと思います
アルツハイマー型認知症では早期から
嗅覚障害が現れやすいと言われています
嗅ぐ力が衰えることで
記憶を司る、【海馬】の働きが低下します
匂いの記憶がきっかけで過去の出来事を
思い出すことはありませんか?
鼻から入った匂いは
鼻の奥の、嗅神経から脳の【海馬】を経由し
大脳皮質に送られます
この大脳皮質は、古い記憶を貯蔵しており
匂いと結びついた
過去の記憶を呼び覚ますのです
このことから、分かるように
記憶障害と嗅覚障害は、密接に関わっています
認知症の前の状態を
軽度認知障害(МCI)といいます
嗅覚が低下した高齢者は、一般の高齢者に比べ
この(MCI)の割合が50%も高くなります
なので
早期に嗅覚の異常に気づくことが必要なのです
ここで朗報ですが
嗅覚にかかわる神経細胞は、再生可能です!
匂いの刺激を与えることで
細胞の死滅や減少を、食い止めることが
できます
日々の生活で
【嗅覚刺激療法】を行っていきましょう
これは
バラ、ユーカリ、レモン、クローブ
4種の匂いをしみ込ませたものを瓶に入れ
朝・晩、1日2回(10秒ずつ嗅ぐ)
というものです
「そんなものは、家にはないよ!」
と、突っ込まれそうですが
ようは
匂いを意識して、嗅ぐことが大事なのです
それにより生じる刺激が
【海馬】に伝わり、脳神経を活性化します
例をあげると
僕は毎日、コーヒーを水筒に入れ
飲む前に香りを楽しんでいます
鼻の機能を高めるには
多くの香りを嗅ぐことが重要なので
色々な産地の豆を挽き
香りの違いを楽しむことを
習慣にしています
やり方は、一つではありませんので
富山大学の研究を参考に
匂いを嗅ぐ習慣を今日から始められては
いかがでしょうか!