変形性脊椎症

私たちの体は年齢を重ねるごとに組織に含まれる水分量が減少し、関節の柔軟性は失われます。クッションの役割を果たす、椎間板も加齢により弾力性が失われます。

椎間板が背骨にかかる荷重を受け止められなくなり、終板(椎間板を挟む椎体の上下端)に負担がかかり椎骨同士が直接接触します。

荷重がかかり、組織を修復しようと骨が増殖し椎体の角にできたトゲのようなものを骨棘といいます。椎骨の後ろには椎間関節があり、椎間板や椎骨の高さが失われることで椎間関節にも負担がかかり腰を動かした折、関節がきしみ痛みを生じます。

このように加齢に伴い、椎間板・椎骨・椎間関節に変形が起こり腰に痛みが生じる症状を変形性脊椎症といいます。

○症状

脊椎の変形が見られる50歳以上の男性に多く見られます。生活習慣では激しいスポーツを行う方、重いものを持ち上げる重労働者、肥満の方は椎間関節に負荷がかかり変形を起こす危険性があります。

症状が初期の場合は、朝の起床時、動き初めに腰のこわばりや重だるい痛みを感じます。初期であれば、時間の経過とともに症状が軽減することもありますが、同じような負担がかかることで症状がぶり返す危険性もあります。

変形性脊椎症3

ご来院いただく患者さんでは、ラジオ体操をしていて腰を反らす動作で痛みを訴える方が多いです。椎間関節が変形し、腰を伸展(反らす)範囲が制限されることが原因です。

その他にも、長時間の歩行、座位、中腰で痛みを訴える方が多いです。大事なことは、同じ姿勢の動作を長時間行わないことです。思い当たる方は、気をつけましょう。

◇治療

装具療法

腰部の変形が強く、姿勢が安定しない方はコルセットを装着します。コルセットは、食事を作られたり掃除をするなど作業時に使用しましょう。休息時は、痛みがなければ外しておいて大丈夫です。

薬物療法

痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤・湿布・内服薬を使用し様子を見ます。

温熱療法

患部をホットパックなどで温めます。自宅での入浴も、血流を改善し老廃物を促すことに効果的ですのでおススメです。

運動療法

筋力を落とさないよう、筋力トレーニングを行います。自宅で行えるストレッチなども、ご紹介させていただきますので、お気軽にご相談下さい。

一番の目的は、筋力低下を防ぎ日常生活に支障が出ないよう維持することです。残念ながら、変形して曲がった背骨を完全に元に戻すことはできません。

ですので、普段の生活・姿勢が大事なのです!

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