ペルテス病・大腿骨頭すべり症

ペルテス病

ペルテス病は、4~10歳の男児に多く、大腿骨頭骨端部、及び頚部の骨頭が潰れ変形し、痛みを伴います。

男児は女児の約5倍みられ、ストレス、ホルモンバランスの変化も原因と言われています。

○症状

初期症状としては軽い股関節の痛み、脚を引きずる歩行がみられ、多くの場合は片方の足で見られます。まれに両側で見られ、大腿部から膝にかけて痛みが見られるので診断には注意が必要です。

他動的に動かしたとき、股関節の運動制限(違和感、ゆがみ、緊張、動きの悪さを総称したもの)抵抗があり臀部、太ももの筋力低下がみられます。
あぐらをかぎにくく、外転、内旋の制限が見られるのも特徴です。

☆外転とは股関節を中心に脚を外に広げる運動
★内旋とは大腿軸を中心に脚を内向きに捻る運動(わかりにくければ、立って膝を上げ足の小指や踵が見えるよう膝を内側へ倒すイメージです)

早期発見・早期治療を!

発症年齢が低く、壊死の範囲が狭いほど予後がよいので、早期発見・早期治療が大事です!大人の特発性大腿骨頭壊死症とは異なり、子供では血行の再開通により3~5年で組織が回復します。

しかし、一度潰れた骨頭は新しく骨が再生されても、潰れた変形した骨頭になり、年月が経つことで変形性股関節症に移行するため、やはり早期の発見がポイントになります。

◇治療

安静にして関節可動域訓練を行い、経過を観察します。新しい骨の修復が行われるよう免荷を行います。免荷とは装具などを使い、患部に体重が加わらないようにすることです。

壊死の範囲が広く、亜脱臼(関節が正常な範囲から少しはずれた状態)があれば手術を考えます。

大腿骨頭すべり症

大腿骨頭すべり症は、10~14歳の思春期の子供に多く、大腿骨頭部の成長軟骨にゆるみが生じ骨頭の位置がずれ、強い痛みを伴うものです。

原因は不明ですが、成長ホルモンの関係や体重の増加、激しい運動が原因ではないかと言われています。そのため、肥満体や背の高いやせ型の子供に多くみられます。

どちらも早期発見・早期治療が大事ですので思春期のお子さんをもつ親御さんは、注意して様子を見守ってください。

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