
前脛骨筋は転倒防止に大事な筋肉で、足関節の背屈(つま先を上げる動作)を行います。前脛骨筋の筋力低下により、背屈動作が行いにくくなることで歩幅が小さくなり、すり足歩行になります。その結果、ちょっとした段差でもつまずきやすくなるのです。
日々の小さな事故から身を守るためにも、前脛骨筋を鍛えましょう。以下にトレーニングを紹介します。
トレーニング
●スタンディング・トゥレイズ
足関節の背屈が容易に行える方は、立った状態で行います。肩幅に足を開き、ゆっくりと筋肉を意識して、反動を使わずにつま先を上げゆっくりおろしていきましょう。
このとき、前後にバランスが崩れる方は必ずイスの背もたれや、つかまりやすいものにつかまり行いましょう。つま先を上げバランスをとるには、体の前後のバランスが必要になります。
●シーテッド・トゥレイズ
立って行うのが難しい方は、座った状態で行います。イスに腰かけ、足を肩幅に広げ、膝を90度に曲げ、ゆっくりと筋肉を意識して、反動を使わずゆっくりつま先を上げゆっくりおろしていきましょう。

どちらの運動も比較的負荷が少ない運動ですので、回数をこなす必要があります。まずは20回を目安に行い、慣れてきたら回数を少しずつ増やしていきましょう。
補足
膝関節が曲がり変形が強い方、荷重制限があり立位で痛みのある方は、足関節の背屈がうまく行えません。皆さんも膝を軽く曲げ、背屈動作を行ってみてください。背屈動作が行いにくいですよね。膝を変形させないことが重要なのです。
少し専門的な話になりますが、前脛骨筋は脛骨の外から足関節の前を通り、足の内側の内側楔状骨と第1中足骨の底につきます。土踏まずの、内側の足のアーチの維持にも関係しますので、しっかりトレーニングしていきましょう。