足底腱膜炎は足の縦アーチを支える構造が崩れ、かかとから足指のつけ根にかけ扇状に広がる足底腱膜に負荷がかかり、炎症を起こし痛みを引き起こす症状です。
歩行の際、足に加わる力に意識してみて下さい。人は歩くとき、踵をつき足の外側に体重を移動させ小指のつけ根から親指のつけ根を通り、親指を蹴りだし前に進みます。
踵から足を地面に着地させると足のアーチがたわみ着地の衝撃を吸収し、体重の移動に伴い足底腱膜は踵と指先の双方に引っ張られ、ピンと伸びて緊張します。
足の蹴りだし時、親指は背屈され縦のアーチが高くなり、足底腱膜は最大限に緊張します。アーチを元に戻そうとすることで、前に進むための推進力が生まれ踏み返しの動作を行いやすくしています。
自分は足底腱膜炎なのか?
自分が足底腱膜炎かわからない方は、足の親指をそらせた状態で踵の骨と足底腱膜の付着部を押してみてください。そこで痛みがあるようであれば、足底腱膜炎を疑います。
また、起床時・休憩後の歩き始めに痛む場合も疑った方がよいでしょう。
足底腱膜炎のリスク因子
以下のような要因で足底腱膜炎が発症するおそれがあります。
身体 | 扁平足、加齢(年をとると足底腱膜の繊維が弱くなる) |
運動 | バスケットやバレーボールなどのジャンプ競技、長距離走 |
仕事 | 長時間立ったままでいる仕事 |
靴 | アキレス腱の部分や靴底が固い靴、ぺったんこな薄い靴底など土踏まずがサポートされていない靴など |
足底腱膜炎の治療法
初期では安静にし、消炎鎮痛剤の経口投与と湿布を貼ります。また、靴のインソールでアーチサポートする工夫も考えます。足底腱膜炎では、踵の前方あたりに痛みが出やすいので、痛む場所に穴をあけた中敷きを敷くという方法もあります。
自宅でできる予防のストレッチもありますので、どうぞご参考にしてください。
アキレス腱のストレッチ(腓腹筋)
ふくらはぎは、歩行時に足底腱膜と連動して働くのでしっかりストレッチしましょう!
①前足の膝に両手をのせ、ゆっくりと体重を移動させ重心を移動させます。
②踵はしっかり床につけ、膝裏、アキレス腱、足裏の伸びを感じストレッチ(20秒)
アキレス腱のストレッチ(ヒラメ筋)
①正座から片膝を立て、ゆっくり体重をかけ重心を移動させます。
②踵はしっかり床につけ、アキレス腱とふくらはぎを伸びを感じストレッチ(20秒)
膝に痛みがある方は、無理をせず上記のストレッチを行います。
なお、痛みが強くストレッチができない場合は、ステロイドの注射、体外衝撃波治療もご検討下さい。
足底線維種
足底線維種とは、つま先を反らせた折、足裏の足底腱膜の土踏まずの部分に見られる良性の腫瘍です。
靴の中に、小石が入っているような違和感がある方は、足のアーチをサポートするインソールを着用します。
その結果、痛み、歩行に支障のある方は、ステロイド注射や手術にて線維種を摘出します。足底腱膜炎との鑑別も大事です。