トレンデレンブルグ跛行
トレンデレンブルグ跛行とは、中殿筋や小殿筋などの外転筋(脚のつけ根から外に向かって開く)の筋力低下によって、痛むの方の脚で片足立ちをしたとき反対側の骨盤が下がる現象をいいます。
そのため、歩くたびに不自然な傾きが生じます。このような歩行状態をトレンデレンブルグ歩行といいます。
ドゥシャンヌ跛行
ドゥシャンヌ跛行とは外転筋の筋力低下により、痛い方の脚で片足立ちをしたとき、患側へ体幹が側屈し、反対側の骨盤が上がる現象をいいます。
<※患側とは痛む側です>
これはトレンデレンブルグ徴候とは対称的です。このような状態で歩行する場合を、ドゥシャンヌ歩行といいます。
アヒル歩行
両側に痛みがある場合、両方にトレンデレンブルグ跛行が見られ、骨盤が前方に傾き出っ尻になり、アヒルのように大幹を左右に揺らし、上半身をのけぞらしたり、前傾する姿勢になります。
このような状態で歩行する場合を、アヒル歩行といいます。
その他にも、体重がかかり股関節が痛むのを防ごうと、患側の着地時間を短くして歩く逃避性跛行や、骨盤の左右のバランスが崩れ、脚長差、可動域に問題がある脚が地面に着くときに落ちるようになる墜落性跛行があります。
<※跛行とは正常な歩行が出来ない状態をいいます>
○脚長差がでる原因
脚長差には、生まれながらの骨格の構造的な原因と、変形性股関節症が原因の場合があります。
関節の軟骨は7mmほどです。関節の軟骨がすり減ることで、関節の間の隙間が狭くなり、脚が短縮します。さらに追い打ちをかけるように、骨頭が潰れたり、変形することで亜脱臼することも脚長差がでる原因になります。
日常的に片方の足を引っ張り上げるような跛行が見られる方は、腰椎の4~5番に負担がかかり、腰仙関節(第5腰椎と仙骨の間)や仙腸関節に負担がかかり腰痛の原因にもなります。
さらに股関節の拘縮(関節が固くなり、動きが制限される)によっても脚長差が見られるので、跛行を見逃さないよう注意しましょう。