尺骨突き上げ症候群

手をついての立ち上がり時、ドアノブ・蛇口を開けようと手首を動かした折、手首の小指側に痛みを覚える方は、尺骨突き上げ症候群かもしれません。

ドアノブ・蛇口の開閉時に回内、回外を行います

○原因

  • 生まれつき尺骨が長い
  • 骨折など外傷による変形治癒により橈骨の位置が低くなっている
  • テニス・バスケットなど手首を使うスポーツ
  • 仕事で手首を小指側へ動かすことが多い

正常では、尺骨と橈骨は手首に対して同じくらいの長さです。尺骨突き上げ症候群では、尺骨が手首から指先の方へ上に向かって突きあがり、橈骨より高くなることで手首の軟骨・靱帯・骨が圧迫され関節に負担がかかり炎症が起こります。

その結果、手首を動かしたとき手首の小指側に痛みが生じるのです。

◇治療

痛い場所をさわってみて、熱感があればアイシングを行います。痛みをまぎらわせる目的で、冷湿布を張るのはいいですが湿布では患部を冷やす効果は期待できません。熱感が見られる方は、しっかりとアイシングを行います。

当院では、ドアノブ・蛇口などの開閉が困難な方は、前腕骨間膜(頭骨と尺骨の間をつなぐ組織)の緊張が強く、セルフケアが必要と感じていますので前腕を緩めるストレッチをお伝えし、手技により手首の長さをそろえていきます。

それでも症状の改善が期待できない方は、長い尺骨を切り2本の骨のバランスを整える手術(尺骨短縮術)を検討します。

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