○このような症状でお悩みの方は
- デスクワークをしていると肩が重くなる
- 肩を上げたり回したりしにくい
- いつも肩が張っている
- 肩こりから頭痛になりやすい
◇肩の構造
肩の関節は鎖骨、上腕骨、肩甲骨からなります。上腕骨頭が肩甲骨のくぼみ(関節窩)にはまり主たる肩甲上腕関節を構成します。
その他に肩甲骨と鎖骨で構成される肩鎖関節や胸骨と鎖骨で構成される胸鎖関節などがあります。
肩関節と股関節は、球関節といい他の関節と違い、接触面が不安定で筋肉、靱帯で支えられています。そのため可動域は広いのですがケガや不調につながりやすいのです。
△肩こりを引き起こすリスク因子
頭は重いもので4kgほどあります。このボーリング大の重さを、首、肩、背中の筋肉で支えているのです。ねこ背・前かがみ・反り腰は背中のS字カーブが崩れ、肩に掛かる負担が増加します
長時間のデスクワーク、読書など偏った姿勢は筋肉の緊張や眼精疲労を招きます。またショルダーバックなど、いつも同じ側でかばんをかけることで捻じれが生じ筋肉が緊張します。
高血圧や低血圧の症状があると肩こりを起こしやすくなります。運動不足や塩分のとり過ぎに気をつけましょう。冷暖房の刺激も、循環障害につながります。設定温度を見直し体を冷やさないように心がけましょう。
眼精疲労
パソコンやスマホの使用により目を酷使すると、眼精疲労を招きます。眼鏡をご使用の方は、度数が合ってないことでも筋肉の緊張を起こすこともありますので視力の定期的な測定も大事になります。
歯のかみ合わせ
正しい歯のかみ合わせが出来ていないことで、筋肉や関節に不要な緊張を招くこともあります。歯ぎしりや、かみ合わせに問題のある方は歯科医院にて歯の治療を行いましょう。
肩が緊張するメカニズム
長時間の不良姿勢・肉体労働で筋肉に負荷がかかると、筋肉内にエネルギー源であるブドウ糖を送り込み大量の血液が供給されます。
それにより筋肉が膨張し血管が圧迫されると、血流量が減少し酸素・栄養素が十分にとり込まれずブドウ糖がスムーズに分解されないため老廃物・疲労物質が発生します。
発生した物質の排出が滞ることで、末梢神経(体の知覚・運動を制御、内臓・血管の制御)が刺激された結果、筋肉が変性し固まり、伸縮力がなくなることで柔軟性が低下します。
これにより筋肉の炎症が進み、痛みの不快感が脳に伝わりストレスになります。これが肩が緊張するメカニズムです。
◇治療
①温める
患部を温めることで、血管が拡張され(広がる)血行が促進されることで筋肉の緊張が緩和され、痛みの感じ方を鈍くする疲労物質が排出されます。
首の後ろ、肩周り、リンパが集まる鎖骨の下などを温めたタオルやドライヤーの温風で温めましょう。
入浴
血行の改善には、入浴がおすすめですがお風呂の温度には気をつけてください。42℃以上の温度では交感神経が優位になりリラックスできませんので、副交感神経が優位になる38~40℃くらいを目安にします。
心臓の悪い方は、半身浴にして体が温まるまでは肩にタオルをかけるなどの工夫をしてみてください。入浴剤を工夫することもリラックス効果につながります。
ネックリラクゼーション(ストレッチ)
①背もたれのある椅子に深く腰掛け、背もたれに体を預け両手を首の後ろで組みます(後頭部と首の境目あたり)。
②両手に頭の重さを感じながら、ゆっくり頭を後ろに倒し自分が気持ちよく感じる位置で30秒ほどキープします。そこから、両手で頭を支えながら元の位置に戻します。
当院では改善を目指すため、ストレッチ、姿勢の改善、仕事環境を見直すことが必要だと考えております。