FAIとは寛骨臼と大腿骨頚部の間に、関節唇や関節軟骨が挟まったり衝突する症状です。原因は幼少期のペルテス病や大腿骨頭すべり症。そして、激しいスポーツ、日常生活でのたび重なる刺激などが考えられます。
○FAIの3つのタイプ
<ピンサータイプ>
骨盤側に問題があり、臼蓋の形態異常(寛骨臼が広く、骨頭が深く入り込み衝突するので関節唇が傷つき、骨棘ができやすい)がある。30~40代の女性に多い。
<キャムタイプ>
大腿骨頚部に問題があり、頚部に形態異常(本来頚部は凹む構造であるが、骨性膨隆のため、平坦になったり凸型になることで衝突し、軟骨が傷つきやすい)がある。20~30代の男性に多い。
<コンバインドタイプ>
臼蓋、大腿骨頚部の両方に問題がある。
❏FAIの診断
変形性股関節症と同様に、股関節を屈曲、内転、内旋して痛みや、股関節がつまる感じがないか確認する。気になる方は、パトリックテストも行ってみましょう。
☆内転とは、股関節を中心に、脚を内に閉じる運動
★内旋とは、大腿軸を中心に、内側へ回旋する動きです
◇FAIの治療
まずは安静にして、痛みを起こす動作を行わないようにし、消炎鎮痛剤、湿布で様子を見ます。
痛みを確認しながら、臀部の筋力強化、骨盤・脊柱のモビライゼーション(関節の動きをつけ、可動域を広げること)を行い、患部の負担の軽減に努めます。
痛みが強く、骨性膨隆、関節唇、軟骨など構造的な損傷が顕著な場合は、手術を検討します。