親指の第1中手骨と大菱形骨の間の関節を、母指CM関節といいます。物をつかんだり、ひねる動きにより親指のつけ根に痛みが出て、日常生活に支障がでます。
症状が進行すると親指が開きにくくなり、親指の開きを補うために、第2関節(第1基節骨と中手骨の間の関節)が反りかえり、白鳥の首のように変形して指が曲がりにくくなります。
○このような症状でお悩みの方
- 包丁で固いものを切るのが辛い
- ペットボトルのふた、ドアノブを開けるとき痛む
- 親指のつけ根の痛み、腫れがある
- 物をつかんだり、握ると痛い
●原因
加齢、親指の使い過ぎ、過去の脱臼や骨折などの外傷。更年期の女性に多く、女性ホルモンの影響を考えます。
母指に繰り返し負荷がかかることで関節が緩み亜脱臼(関節が正常な範囲から少し外れた状態)を起こします。結果、関節軟骨がすり減り減ることで痛みを生じ、最終的には骨と骨がくっつきます。
◇治療
基本的には安静ですが、親指を使わず生活することは困難なのでCM関節保護用の軟性装具を使い、患部をなるべく動かさないようにします。
消炎鎮痛剤、装具固定で効果の見られない方は関節を固定する手術を検討します。
最近ではスマートフォンを片手で持ち、親指だけでスクロールする方が多いです。
女性は手が小さく手指にかかる負担が大きいので、なるべく同じ指を使わないようスマートフォンは両手を使って操作しましょう。